恋のつぼみ
パンジー
≪千秋Side≫
「好きっ。」
「えっ!?」
告白をした
場所はあたしの家の弟の部屋
相手は弟
の友達
普段キリッとしている瞳は驚きからか大きく開かれている
真面目な君から想像できないくらいのマヌケ面
「あたしは友紀くんが好きっ!」
「ち、千秋さん。」
君は困ったような顔であたしを見るけど
伝えたかっただけ
ゆうも頑張って告白したんだ
あたしも頑張る
たとえ望みがなくても
あたしのこの気持ちは
君にしっかりと届けたい
ガチャッ
玄関の扉を開ける音がしたっていうことは
コンビニに行ってた弟が帰ってきたってこと
「返事はいらないよ。友紀くんがあたしをそんなふうに見てないの知ってるし
ただ、伝えたかっただけだから。」
そう言い残し、弟の部屋を出て
向かいにあるあたしの部屋に駆け込んだ