恋のつぼみ



「ねぇ、江藤くん。今日はもうすぐ終わりでしょ?一緒に帰ろうよ。」



えっ!?


やっぱり、私の好きな人が目の前で他の女の人に誘われているのを見ると
目の前が真っ暗になるほどの衝撃をうける


「あー、ごめん。今日は無理なんだ。」

やんわりと断る江藤さんは優しいが
残酷にも思えた

私もこの後、江藤さんにやんわりと優しく告白を断られるんだ


自分で妄想し、勝手に落ち込む

ゆうはサバサバしてるねって言われるが
恋愛に関するとまるっきり駄目だ

サバサバなんてしてられない



「えー、なんでー。」

「今日は、ゆうちゃん送ってくんだ。」


いきなり、自分の名前を言われビックリして顔をあげると、相変わらずレジにいる江藤さんと目が合った


「ねっ、ゆうちゃん。今日、体調悪い?
なんか元気ないから送っていくね。」


体調は悪くない
けど、江藤さんと一緒に帰れるのはうれしい

でも、常識的に遠慮をしてみる

「め、迷惑かけるわけにはいきません。」

「迷惑だなんて思わない。心配だから、送らせて、な?」


そんな笑顔を見せられたら、自然に頷いてしまう

もともと断る理由なんてないんだけど・・・




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