天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「これはね…大発見ではあるが…人にとっては、喜ばしいことではない」
扉のわりに、部屋は狭かった。
何もない部屋の真ん中に、手術台があり、
その周りを数人の学者が、囲んでいた。
学者達は、ちらりと、沙知絵と中村を見た。
中村は、学者達に向かって頷くと、学者達も頷き、
中村と沙知絵の為に、手術台から離れた。
そこに横たわるもの達。
中村は、沙知絵を促し、手術台に近づくことを進めた。
恐る恐る近づいた沙知絵は、妙な異臭に鼻と口をおおいながら、手術台の上を覗いた。
「!?」
そして、絶句した。
あまりの驚きに、臭いすら忘れた。
「フフフ…驚くだろ…。これは、作り物ではない」
中村は、沙知絵の横に立ち、怪しげな笑みを浮かべ、
「率直な意見が聞きたい。きみには、これが何に見えるかね?」
中村の質問に、あまりの衝撃で固まってしまった沙知絵は、口に張りついた手の隙間から、声を絞りだした。
「鬼…」
沙知絵の答えに、満足気に頷くと、
中村は手術台の前に行き、
「上野くん…。きみは、食物連鎖というものを考えたことがあるかい?」
中村は、手術台に横たわる物質を見下ろしながら、
「我々は、あらゆるものから、搾取する存在のはずだ…しかし、そうでなければ?」
中村は、手術台の端に手を置き、沙知絵に向かって、振り返ると、
「あらゆる生き物の頂点として、行き着いた人というもの…。それは、真実かな?」
冷たい手術台に、横たわるものは、
心臓の辺りが裂け…死んでいるようだが、圧倒的な存在感を醸し出していた。
筋肉の張りが、つき方が明らかに人を違うし、
額から突き出した角は、鹿などの動物とは違い、金属のように光り輝いていた。
その輝きに…角に映る自分を見て、沙知絵はさらに息を飲んだ。
扉のわりに、部屋は狭かった。
何もない部屋の真ん中に、手術台があり、
その周りを数人の学者が、囲んでいた。
学者達は、ちらりと、沙知絵と中村を見た。
中村は、学者達に向かって頷くと、学者達も頷き、
中村と沙知絵の為に、手術台から離れた。
そこに横たわるもの達。
中村は、沙知絵を促し、手術台に近づくことを進めた。
恐る恐る近づいた沙知絵は、妙な異臭に鼻と口をおおいながら、手術台の上を覗いた。
「!?」
そして、絶句した。
あまりの驚きに、臭いすら忘れた。
「フフフ…驚くだろ…。これは、作り物ではない」
中村は、沙知絵の横に立ち、怪しげな笑みを浮かべ、
「率直な意見が聞きたい。きみには、これが何に見えるかね?」
中村の質問に、あまりの衝撃で固まってしまった沙知絵は、口に張りついた手の隙間から、声を絞りだした。
「鬼…」
沙知絵の答えに、満足気に頷くと、
中村は手術台の前に行き、
「上野くん…。きみは、食物連鎖というものを考えたことがあるかい?」
中村は、手術台に横たわる物質を見下ろしながら、
「我々は、あらゆるものから、搾取する存在のはずだ…しかし、そうでなければ?」
中村は、手術台の端に手を置き、沙知絵に向かって、振り返ると、
「あらゆる生き物の頂点として、行き着いた人というもの…。それは、真実かな?」
冷たい手術台に、横たわるものは、
心臓の辺りが裂け…死んでいるようだが、圧倒的な存在感を醸し出していた。
筋肉の張りが、つき方が明らかに人を違うし、
額から突き出した角は、鹿などの動物とは違い、金属のように光り輝いていた。
その輝きに…角に映る自分を見て、沙知絵はさらに息を飲んだ。