天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「危険なのは、あの女だけじゃない…でしょ?」

舞子は、リンネを睨んだ。

リンネは、片眉を上げ、


やがて、にやりと口元を緩めた。


二人の魔神のやり取りに、ただ狼狽えていた中村は、雰囲気を変えようと、

二人の間に割って入った。

「リンネ様…マヤ様……我々は、どうすればよいのでしょうか?」

中村は震えながらも、二人に質問した。

「こ、このせ、世界の魔物達や……テラをどうすればいいのでしょうか?」

舞子は、また背を向けた。

リンネは、クスッと笑うと、

「まだ…テラは、完全ではないわ。一人は、目覚め始めているけど……もう一人は、まだ自覚すらしていない」

リンネの言葉に、中村は目を丸くした。

「テラが、二人!?」

リンネは、頷いた。

「進化は、一つではない。運命とは、いつも2つある」

舞子は、安置室の灰色の壁を見つめ、

「選ぶか…選ばないか…」


その言葉は、自分に向けてでもあった。
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