天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
何の期待もせず、

ただ少年が、降りてこないから、沙耶は下に降りた。

橋のそばに近づく沙耶までは、確認…いや、予測できた。






数日後、橋の真ん中で待つ女に、近づく…1人の女。

四車線ある橋の両側は、幅が狭い遊歩道になっており、橋の真ん中から、下を覗く女生徒は、

そばに立つ雰囲気に気付いた。開いていた携帯を閉めると、

「噂は…本当だったんだ…」

女は、ちらっとそばで止まった女に、視線を向けた。

「噂では、ブロンドの美女なのに…髪の色が違うのね」

小娘の言葉に、女は肩をすくめ、

「そんな見た目とかで、気にするの?」

沙耶の友達のそばで、呆れてるのは、

アルテミアだった。

あまりにも、目立つ為、ブロンドの髪を、漆黒に変えていた。

それでも、すれ違う人は思わず、立ち止まり、

横を通る車は、なだらかな渋滞になっていた。

車が、混んでるからではない。

歩道に立つアルテミアに、見惚れているのだ。

さすがは、天空の女神。

「まあ…美女ってとこは…あってるわね」

沙耶の友達の言葉に、アルテミアは顔を真っ赤にし、

「まあ〜当然じゃない!まあ〜人並み以上はあるんじゃないかな?でも〜あたし以上なんて、見たことないけどお!」

女神であるアルテミアは、絶世の美女ではある。

が、ブルーワールドで、そこを褒める者はいない。美しさより、恐ろしさが上回っていた。

ブロンドの悪魔。

つまり、美女だが…言われ慣れていない。褒められることに、慣れてないのだ。

でも、自覚はしているらしく、異世界にいた僕を、巻き込む為に、美貌を利用した。

「まあ〜言われ慣れてるけど」

「そんなことより、この辺なんだ」

沙耶の友達は、あっさりと話題を変えた。

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