天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「あんたの名は?」

アルテミアは、前を睨みながら、友達にきいた。

誰もこたえない。

「あんたの名前を、きいてるんだ!」

アルテミアは、後ろを振り返った。

「え!あ、あたし…」

後ろにいた友達は、自分に言われているとは、思わなかった。

「…に決まってるだろ!」

少し苛立つアルテミアに、友達は告げた。

「今井友美……」

アルテミアは前を向き、

「友美!今来た階段を戻れ!どうやら…敵は、人間じゃない……。あんたの友達はもう…」

アルテミアは、歩きだした。

「さ、沙耶は…どうなったの!」

アルテミアは、拳を握りしめ、

「魔に…魅せられた…。もうこの世には、いない…」

「そ、そんな!」

アルテミアに近づこうとする友美を、アルテミアは一喝した。

「てめえも、魅せられたいのか!」

すると、2つの物体が飛んできて、友美の体を強打した。

「アルテミア!」

僕の叫びに、

「心配するな!眠らせただけだ」

そして、2つの物体はすぐに、アルテミアの両腕に装備され、トンファーになる。

そのトンファーを合体させ、槍にすると、

アルテミアは脇に挟んだ。

そのまま、歩きだす。



「その構えは…噂に聞く…女神の一撃かな?」

黄昏の中、光の影が揺らめき…その中から、長身の男が現れる。

「でも、いいのかな?こんなところで、そんな技を使って…。破壊力は、核なみなんだろ?」

アルテミアは、鼻を鳴らし、

「忠告ありがとう。あんた如きを倒すのに、全力は出さないから」

クスッと笑った。

「それは…残念」

男が、嘆くように手を上げた瞬間、

アルテミアの頬を熱いものが、通りすぎ、遥か向こうにあった対岸の壁を破壊した。

「今のは…」

絶句する僕。

「チッ」

アルテミアは舌打ちした。

「この世界は…君達の世界と違い魔法を使えない…。君のように、生まれながらに、女神の力を持つ者とは違いね」

男は、橋の影の中から、全身を出した。

「手が…」

左手を、こちらに突き出した形で現れた男の手首から上は、機械だった。

「00×か!」


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