天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
食事の後の…歓喜に震える僕に対して、

アルテミアは、ため息をついた。

僕は自分の両腕を曲げ、体を確認した。


「アルテミア…」

僕は深呼吸をし、

「今までは…アルテミアが、敵を倒し…僕が、敵を探す役目だったけど…これからは」

僕は、左手を突き出した。指輪が、輝いた。

「すべて…僕がやる」

「赤星…」

アルテミアが何か言おうとしたが、僕は言葉を続けた。

「今までは…この世界の人間だった僕から、これまでに関わった人達との繋がりを気にして、戦うことはしなかったけど……。大丈夫!何があったって…僕は…」

僕は、天を見上げた。

「この世界から…いなくなるのだから…」



(そう…僕は、ブルーワールドに戻るんだから…)

僕は、この世界の空を見上げ、感慨深気に…目を細めた。



「赤星…」

しばしの間があって、アルテミアが口を開いた。

「やはり…あたしが戦う…。お前では、戦い抜けない…」

アルテミアの言葉に、僕は見上げた顔を下げた。

「ど、どうして!僕は…昔と違って弱くないし!」


アルテミアはもう…声を荒げることも、怒ることはなく、

ただ淡々と、言い聞かせるように話しだした。

「お前は…強いよ。多分…あたしと同じか…それ以上に…」

「え?」

僕は言葉を失った。

自分より強い。

プライドの高いアルテミアが…そんな言葉を口にするはずが、なかった。


アルテミアは、今の赤星の戦いを見て、確信した。

「お前は…あっちの世界で、最強に近い強さを得た。数多くの魔物と戦い…経験値を上げ、向うところ…敵なしだ。しかし!」

アルテミアの口調が変わった。

「それは、魔物に対してだけだ。ブルーワールドで、魔物によって、襲われた人々を助けることで強くなった!弱者を…強者から守る為に…」 


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