天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
アルテミアは、言葉を続けた。

「だが!この世界で…魔物になった人間は、強者ではない!それどころか…この世界に、馴染めなかった者や…弱き者の…反乱のように、思える…。だから」

アルテミアは、確信を告げる。

「お前は、あいつらを殺せない。それに…お前は、人間を殺せない…」

「そんなことは…」

反論しょうとした僕を、アルテミアは切り捨てた。

「病院の女のことを言うつもりか?あの女は、体を乗っ取られた。つまり、彼女ではなくなったからだ!」



「ハハハハ…」

アルテミアの主張に、僕は引きつった笑みを浮かべ…


しばらくして拳を握り締め、わなわなと震えながら、肩をすくめた。

「何を言いだすんだか………」

そして、頭を抱えた後、大声で叫ぶように言った。

「僕はもう戦士だ!倒すべき相手が、人間だとしても…僕は戦える!」

それは、覚悟していた。

心の奥では。

しかし……。


アルテミアは、僕の戸惑いに気付いていた。

「ここ数件…仕方なく、斬るとはあったな…。だが、その度に、心を痛めていたはずだ!」

「……」

僕は、口から言葉がでなくなっていた。

アルテミアは……ただ一言だけ言葉にした。

「優し過ぎる」

アルテミアは、一呼吸おき、

「お前は…優し過ぎるよ」


アルテミアの言いたいことは、わかっていた。


(しかし…戦うことは、やめられない)

アルテミアを、戦わす訳にはいかない。ブルーワールドに帰ることもできないなら、

僕が戦うしかない。


と…葛藤している時、

僕の近くに、黒いコートを羽織った集団が立っていた。

「これは、これは…」

集団の中から、1人の男が一歩前に出た。

「女神を追っていたら…あなたに、お会いするとは…。まあ…当然といえば、当然ですね」

男は、慇懃無礼に頭を下げる振りをして、左手を突き出した。

「赤星浩一」

不意を突いたレーザー光線が、僕の肩を貫通した。

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