天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
そして、破り捨てた遺書を、代わりに、

屋上から投げ捨てた。


屋上から、ひらひらと舞いながら、風によってばらばらになって、落ちていく紙切れに、宮島は自分を重ねた。


(そうだ…)

自分は死んだのだ。

ここにいる自分は、死体。

そして、今動いている自分は…自分ではない。

(ゾンビ…じゃないな)


宮島は頭をかいた。

あれほど…死にたいと思う程、追い詰められていた気持ちが、落ち着いていた。

拳を握り締めると、力が溢れた。

拳を見つめていると、その上に、雨が降ってきた。

「雨…」

見上げた宮島は、目をつぶり…降りだした雨を、全身で感じながら、

やがて…にやりと笑った。

そして、その場で胡坐をかくと、どしゃ降りになってきた雨を気にせずに、

ただその場で、座り続けた。

朝が来るまで。




数時間後…朝日は昇ったみたいだが…分厚い雲が、邪魔をしていた。

どしゃ降りの雨は、いっこうに止む気配を見せず、

学校が活動を始める時間が来ても、止むことはなかった。

激しい雨が、宮島の飛び降りてできた穴を、目立たなくしていた。

下から、登校してきた生徒達の声が聞こえ、

数分後アナウンスが響いた。

(本日は、大雨の為…全校朝礼は、体育館にて行います)

宮島は、そのアナウンスを聞いて、数分後…ゆっくりと立ち上がった。

そして、雨に打たれながら、全生徒が体育館に入るのを待つ。

体育館という閉鎖した空間に、人が集まる。


宮島は興奮状態として、体を震わせた。



そう…報復が始まるのだ。



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