天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
魔獣因子。

かつて、ブルーワールドにて存在した…魔物と戦う為に、結成された魔法防衛軍。

そこの最高機関の安定者の1人であったクラーク・マインド・パーカーは、語っていた。

魔獣因子とは、僕が生まれた実世界にしか存在しないもの。

安定者の1人でありながら、安定者の地位を捨てた蘭丸は、僕らにこう言った。

(数多くの異世界を渡ったが…人が支配者として、君臨しているのは、ここしかない)

クラークは、言葉を続けた。

(魔物がいないと、思うか?お前達の世界にも、魔物の存在らしきものは、残っている…つまり!)

クラークの姿が、人間ではなくなる。

(本当は、魔物として存在するはずだった人々!彼らの遺伝子には、その種が残されているが…余程のことが、ないと…眠っている遺伝子が、目覚めることはない!)


クラークは、ブルーワールドの生まれではなく…もしかしたら、僕と同じ…この世界の出身者かもしれなかった。


僕は、ブルーワールドでの死闘の続く日々で…自然と覚醒した。

クラークによって、異世界に呼ばれた舞子達は、無限の魔力を使うことができるブラックカードによって、魔獣因子を目覚めさせられた。


僕はブルーワールドで、クラークと戦った。


(魔獣因子で、目覚め…例え人でなくなっても、力に溺れることなく、人の心を持ち続けることが…できるならば…)

クラークの体に、僕はライトニングソードを突き刺した。


「その者は、人である」

クラークは、僕にブルーワールドに住む人の未来を託して、死んだ。



そのことを、アルテミアに説明すると、

アルテミアは、フッと笑った。

「だとしたら…魔獣因子は、人の進化じゃないだろ?」

「え?」

アルテミアの言葉に、僕は唖然とした。

「そうだろ?それは、もともと一部の人間の中に、組み込まれていたんだから」

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