天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「ただ…きっかけで、遺伝子が目覚め、先祖帰りしただけだろ?」

アルテミアはまた、後ろに倒れるように、水面に倒れ込むと、仰向けになった。

「人の未来と言うのは…やつらの嘘だ」

アルテミアはまた、太陽を見つめた。


「だけど…社会や学校で、虐げられている人達が、目覚めるのが、多いのはどうして?」

アルテミアは即答した。

「それは、滅びない為だろ」

先程まで雲一つなかったのに…アルテミアが見ていた太陽が、分厚い雲に隠された。影が、泉に覆う。

「遺伝子を残していく為には…目立たない方が、いいからな。強い遺伝子が残るというが…強すぎる遺伝子は、葬られる」

アルテミアは、雲を睨み、

「でも…個人差はあるだろうけど。遺伝子が、行動を100%決めるわけでは、ないしな」

クラークに呼ばれた五人は、おとなしいとは、言えなかった。


「もし…その因子が、強引に進化だというなら…。それだけで、どうする?」

「どういう意味?」

「人が、猿から進化した時、人の仲間は何人いた?人は、どうやって、この世界に君臨できた」

アルテミアもまた言いながら、考え込んでいた。

「あたしの世界では、人間は君臨していないけど…。何か特別な力が…必要だ」

アルテミアは、両手を天に向けた。

「この世界に…君臨する為には、膨大な時間も必要なはず」

「でも…メールも増えてし…」

「たかが…数十件だけ。何億もいる人々に、取って代わることは、不可能だろ」


アルテミアは立ち上がり、翼を広げた。

「だが…魔物が、つねにいない世界で、知人が魔物になれば…混乱は起こる」

「混乱に乗じて、行動を起こすと?」

「違うな!混乱は…表面上だけだ!支配するなら、地下に潜る」

アルテミアは、太陽に向かって飛び立った。


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