天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「ぐずぐずするな」

男の前にいた女が、注意した。

覗いた男は、宮島だった。

隙間から、仁志の姿が見えた。

どこか…昔の自分に似ていた。

「すいません…」

だけど…そんな感慨をすぐに消し去ると、宮島は前を向き、

山根達の後ろを、ついて歩きだした。


(俺は…生まれ変わったんだ)

宮島は拳を握りしめ、

(強さを手にいれたのだ)


宮島はもう…後ろを振り向かない。



先頭を歩く山根は歩きながら、クククと笑いだした。

そして、振り返らずに、声を張り上げて、話しだした。

「諸君!喜びたまえ!今夜は、面白い余興が見れるぞ」

山根の笑いは、止まらない。

「そう…女神の最後という余興をな」

山根は、携帯を取出し、メールを開けた。

内容を確認し、にやりと…さらに口元を緩めた。


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