天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
どこまで飛んだのかは、わからなかった。
できるだけ、人目の少ないところを意識はした。
都市部をさらに離れ…夜の港の倉庫街に、アルテミアはテレポートした。
現れてすぐに、アルテミアから僕に戻る。アルテミアの胸も、血が溢れていた。
同じ体を共有しているのだ。当然といえば、当然だ。
バンパイアである僕の細胞再生が、心臓の場合…なかなか進まなかった。
「治癒魔法を…」
思わず…カードを探す僕は、苦笑した。
もうカードシステムはないし…ここは、ブルーワールドではない。
「そ…そうだよね……アルテミア…」
全身の力が抜けた。
意識さえ…消えていく中…僕の目に近づいてくる人影が、映った。
人影は、僕に向かって覗き込むように、身を屈めた。
しかし、逃げる力も…見る力も、僕にはなかった。
瞼が落ち、意識が消えていく中…
(モード・チェンジ)
と心の中で、呟いた。
だけど…アルテミアに変わることは、なかった。
「こいつが、天空の女神の依り代かい?」
少し遅れて、倉庫街の路地に現れた沙知絵は、手を組み、
赤星の前で、屈む女の肩越しから、その姿を眺めた。
「そうは見えないね。気弱そうだ」
沙知絵の感想に、赤星の前にいるリンネは、クスッと笑った。
「その通りね」
リンネは、右手を赤星の胸に当てながら、赤星の顔をまじまじと見つめた。
「ところで、何をやるんだ?」
沙知絵は訝しげに、リンネの右手を見た。青白く光っていた。
「あたしには…まるで、傷を治してるように見えるけど?」
沙知絵は、赤星からリンネに視線を変えた。
リンネはまた軽く笑うと、赤星から手を離した。
そして、立ち上がると、赤星を見下ろしながら、
「彼の属性は、炎。あたしと同じ…さらに、彼の体の中には、フレアの炎も残ってる。
赤星の胸元が、青白く輝き…止まらなかった血が、流れてなくなった。
できるだけ、人目の少ないところを意識はした。
都市部をさらに離れ…夜の港の倉庫街に、アルテミアはテレポートした。
現れてすぐに、アルテミアから僕に戻る。アルテミアの胸も、血が溢れていた。
同じ体を共有しているのだ。当然といえば、当然だ。
バンパイアである僕の細胞再生が、心臓の場合…なかなか進まなかった。
「治癒魔法を…」
思わず…カードを探す僕は、苦笑した。
もうカードシステムはないし…ここは、ブルーワールドではない。
「そ…そうだよね……アルテミア…」
全身の力が抜けた。
意識さえ…消えていく中…僕の目に近づいてくる人影が、映った。
人影は、僕に向かって覗き込むように、身を屈めた。
しかし、逃げる力も…見る力も、僕にはなかった。
瞼が落ち、意識が消えていく中…
(モード・チェンジ)
と心の中で、呟いた。
だけど…アルテミアに変わることは、なかった。
「こいつが、天空の女神の依り代かい?」
少し遅れて、倉庫街の路地に現れた沙知絵は、手を組み、
赤星の前で、屈む女の肩越しから、その姿を眺めた。
「そうは見えないね。気弱そうだ」
沙知絵の感想に、赤星の前にいるリンネは、クスッと笑った。
「その通りね」
リンネは、右手を赤星の胸に当てながら、赤星の顔をまじまじと見つめた。
「ところで、何をやるんだ?」
沙知絵は訝しげに、リンネの右手を見た。青白く光っていた。
「あたしには…まるで、傷を治してるように見えるけど?」
沙知絵は、赤星からリンネに視線を変えた。
リンネはまた軽く笑うと、赤星から手を離した。
そして、立ち上がると、赤星を見下ろしながら、
「彼の属性は、炎。あたしと同じ…さらに、彼の体の中には、フレアの炎も残ってる。
赤星の胸元が、青白く輝き…止まらなかった血が、流れてなくなった。