天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
第18話 願事
「アルテミア……!?」
気付いた時、僕は倉庫街の路地裏で、倒れていた。
すぐにはっとして、胸を押さえる。
血が出ていないし…傷も癒えていた。まだあまり力が、入らない。立ち上がろうとしたが、立てなかった。
「無理をするな…魔力の動力炉である心臓を、刺されたんだ…しばらくは、まともに動けない」
ピアスから、アルテミアの声が聞こえた。
「アルテミア…」
僕は、胸に手を当てた。心臓の鼓動が、感じられた。
「アルテミアが、治してくれたの!」
「いや…」
アルテミアは、それ以上話してくれなかった。怒ったような声のトーンに、僕は、何も言えなくなった。
少し無言の間が続いた後、路地裏が少し明るくなってきた。
まだ朝日は昇らないけど、朝の倉庫街に人の気配が、感じられた。
「赤星…あの島まで、飛べるか?」
「う、うん…」
腕や足の力は、入らないが…思念などの超能力は、使えそうだ。
ただし、一回で今ある魔力を消費しそうだ。
「やってみる」
僕は、目を閉じた。
「さ、寒っ!」
身を縮ませながら、作業服を着た男が、走っていた。
「どこいくんだ?」
同僚の声に、走りながら男は、答えた。
「おしっこ!」
海岸に並ぶ倉庫の間を、男は曲がり、
「朝は冷えるから…近くなる」
男がおしっこをしたところは、ちょうど赤星が倒れていた場所だった。
地面についた血も…まだ朝日が昇る前だから、
男は、そのことに気付かなかった。
気付いた時、僕は倉庫街の路地裏で、倒れていた。
すぐにはっとして、胸を押さえる。
血が出ていないし…傷も癒えていた。まだあまり力が、入らない。立ち上がろうとしたが、立てなかった。
「無理をするな…魔力の動力炉である心臓を、刺されたんだ…しばらくは、まともに動けない」
ピアスから、アルテミアの声が聞こえた。
「アルテミア…」
僕は、胸に手を当てた。心臓の鼓動が、感じられた。
「アルテミアが、治してくれたの!」
「いや…」
アルテミアは、それ以上話してくれなかった。怒ったような声のトーンに、僕は、何も言えなくなった。
少し無言の間が続いた後、路地裏が少し明るくなってきた。
まだ朝日は昇らないけど、朝の倉庫街に人の気配が、感じられた。
「赤星…あの島まで、飛べるか?」
「う、うん…」
腕や足の力は、入らないが…思念などの超能力は、使えそうだ。
ただし、一回で今ある魔力を消費しそうだ。
「やってみる」
僕は、目を閉じた。
「さ、寒っ!」
身を縮ませながら、作業服を着た男が、走っていた。
「どこいくんだ?」
同僚の声に、走りながら男は、答えた。
「おしっこ!」
海岸に並ぶ倉庫の間を、男は曲がり、
「朝は冷えるから…近くなる」
男がおしっこをしたところは、ちょうど赤星が倒れていた場所だった。
地面についた血も…まだ朝日が昇る前だから、
男は、そのことに気付かなかった。