天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「え……」

亜梨沙が、顔を上げたら、もう梓はいなく、

そこには、登が立っていた。

「君が……梓を殺したんだね…」

「先輩…」

「君が殺したんだね」

「ち、違う……」

「君が殺したんだよ」

「違う…」


登は口元を緩め、

「罰を受けないといけない…。君は、人を殺したんだから…」

登は、亜梨沙にゆっくりと近づく。

「君は…汚れてしまった。…だから…君も死なないとね」


「ああああ…」

泣き崩れる亜梨沙を、見下ろしながら、登は舌なめずりをした。



「死ぬんだ…」

「……」

無言で、頷いた亜梨沙に、登はゆっくりと手を伸ばした。

「手伝ってあげるよ」




「目を覚まして!君が、死ぬ必要はない。思い出して、梓なんて子は、いない。君は、騙されているんだ!」

どこからか、声がした。

「誰だ!」

登は、振り返った。

霧の中から、学生服を来た生徒が姿を見せた。

「お前は、転校生!ば、馬鹿な…あり得ない!ここは、結界の中だ!普通の人間が、入れるはずがない!」

登の戸惑う姿に、転校生はにやりと笑った。

「やっと……見つけたよ。お前達を。ブルーワールドを抜け出し、実世界へと逃げ込んだ…お前達…魔物を」


「ブルーワールド!なぜ、その言葉を!」

唖然とする登は、転校生が突き出した左手に…光る指輪に気付いた。

「指輪!?それに、何だ!この桁外れの魔力は!」

登は後退った。

「こんな魔力…人間には、あり得ない…魔神以上…いや、魔王クラス…」


転校生は、口元を緩めると、叫んだ。

「モード・チェンジ!」




光輝く中、亜梨沙は気を失った。


最後に見たものは、ブロンドの髪をなびかせた……この世の者とは、思えない美しい少女。


「ヴィナース!光臨!」

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