天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「赤星!」

アルテミアが叫んだ。

「大丈夫!」

僕は、携帯を握り締めた。

「私は、人が食べたい!あああ…これは、星からの指令なのです!」

男の指から、鋭い爪が伸びた。

「私は…宇宙人なのです!だから!」

襲い掛かる男の体を、


僕の両手から、伸びた鉤爪が、切り裂いた。

「私は…人間では…な」

切り口から、炎が溢れ…男の全身が燃えつきる。


炎は、部屋中に燃え移り…そこにあったすべてのものを焼き尽くしていく。

僕は、携帯を炎の中に、投げ入れた。

足元に散らばっていたスケッチブックも、炎の中に捨てた。






それからすぐに、通報により警察が来て、部屋を見たが…炎が出た後は…なかった。

惨劇はそのままで…倒れていた男は死んでおり、

その体内から…被害者のものと思われる残留物が、消化されずに残されていた。

他の部屋にも、無数の動物達の死骸があった。

この事件は、猟奇的な殺人事件として扱われた。

人や動物を食べたという。

犯人の体は、外的損傷もなく…何かのショック死と見られていた。

唯一現場から無くなったのは、被害者の女性の携帯と…男のスケッチブック…。

しかし、警察がそれに気付くはずがなかった。
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