天空のエトランゼ〜哀しみの饗宴(魔獣因子編)〜
「ほお…さらに、強くなられましたな」

ギラは、右手を突き出したまま、感心した。

ギラブレイクは、弾けることなく……アルテミアの手の中で、吸収された。

「さすが……天空の女神…」


「ギラだと!」

アルテミアは、数百メートル向こうのギラを睨み…さらに、ギラの向こうに立つ女を、睨み付けた。

「それに…サラか!」

ギラの向こうで、黒焦げになった彩香を、片手で抱き上げたサラが、いた。

「チッ」

アルテミアは舌打ちすると、走りだす。

「モード・チェンジ!」

アルテミアの体が、黒のスーツ姿に変わる。

スピードを上げたフラッシュモード。

「いかせませんよ」

ギラは横にスライドし、一瞬にして数百メートルを移動したアルテミアとぶつかった。

「なぜ、お前達がいる!」

「それは、言えませんね」

アルテミアのタックルを、受けとめたギラの首筋に、アルテミアの回し蹴りがヒット……しなかった。

ギラは、腕でブロックしていた。

「パワーは増しても…攻撃パターンに、変化はございませんな」

ギラは、そのままアルテミアの足を掴むと、天に向けてほり投げた。

そして、両手を天に突き上げると、そこから雷撃をマシンガンのように、打ち続けた。


「行くぞ…」

サラは、彩香の額に指を突き刺すと、すぐに抜いた。

彩香の額から、血が飛び出した。

「もう終わったのか?」

ギラは、打ち続けながら、きいた。

「ああ…記憶は、リークした…。大した情報は、得られなかったがな…」



「舐めるな!」

雷撃を吸収しながら、アルテミアは空から、落ちてくる。

「フン」

サラは鼻を鳴らすと、落下していくアルテミアに向かって、彩香を投げつけた。

「な!」

ギラへの攻撃体勢に入っていたアルテミアは、横合いから、彩香を投げられて、視線が外れた。


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