GEDOU―樹守る貴公子―
三年前
三年前、多優(たゆう)という男が大内裏から逃げ出した。
その多優という男は、その日に首を落とされるはずだったが、それを知って逃げ出したのである。
背中に何本もの矢を負い、炎を方術で操り逃げる多優。
『俺は、どうしてこんな目に遭っている?』
その時初めて、多優が思ったことだ。
『俺が・・・何をしたんだろう―――』