ファンタスティック·レボルバー
 



駅へ着くまでの道のりも

電車に乗っている時の短い時間も


全てが1人で帰る時とは、どこか違った。



ありえないくらいに緊張しているのは紛れもない事実で

ありえないくらいに間抜けな言葉しか発することのできない自分には、イライラする。



でも、そんな自分を含めて全てが心地良いような気もする。



緊張してるからこそ、楽しい。


間抜けな言葉にも反応して笑ってもらえることが、嬉しい。



そんな初めての感覚に、戸惑いを感じないと言えば嘘になる。



でも、この時間がもっと続けばいいのにな……――――



家の近くの駅で降りて、自転車を取りに行くという柴本君を待ちながら、ふと、そんなことを思った。
< 11 / 29 >

この作品をシェア

pagetop