ファンタスティック·レボルバー
「あれ? 幸香?」
いきなり耳に飛び込んできた声に、少し驚きつつも辺りを見回す。
すると、駅の改札口を出た辺りに私に視線を合わせる女子高生がいた。
「何か、久しぶりだね?」
いかにも清楚な雰囲気のお嬢様学校の制服に身を包んだ2人組がこっちに来る。
「ナナ、この子誰?」
「んー?中学の友達だよ。私達すごく仲良かったんだぁ。ね、幸香?」
にっこりと微笑んで私を見るナナから、思わず視線をそらした。
私達が友達?
私達の仲が良かった?
馬鹿なことは言わないでほしい……。
ぎゅっと目をつむって下を向いていると、ナナがまた声を掛けてきた。
「あれ? 幸香、大丈夫?」
黙って返事をしない私に痺れを切らしたのか、ナナは勝手に話し始めた。
「あっ、もしかしてコンタクトがずれちゃった? 幸香、私の貸してあげるから、これ見ながら直しなよ」
そう言って無理矢理に私の顔を持ち上げたナナが、私の目の前に掲げた鏡を見せてくる。
「…………っつ」
私は、突然襲ってきた目の痛みに耐え切れなくなってしゃがみ込んだ。