ファンタスティック·レボルバー
****

しばらくして落ち着いた私は、また、柴本くんと並んで歩き出した。



さっきの出来事が気まずくて、お互いに何も話せないまま、ゆっくりと歩き続ける。



人気のない住宅街に、柴本君が押す自転車の、カラカラという音が響く。



気付けば私達は、うずまき公園の傍まで辿り着いていた。




「少し、寄っていかない?」


「うん」



柴本くんの誘いで久しぶりに入った公園は、何だか全てが小さく見えて、不思議な感じがした。



ぐるぐるとうずまきのように伸びるローラー滑り台が真ん中にある。


だから、うずまき公園。



公園の隅にある木製のベンチに、私達は2人で座った。
< 15 / 29 >

この作品をシェア

pagetop