ファンタスティック·レボルバー
私は、自分の目のことをあまり人に話さない。
ないだろうとは思っていても、さっきのナナみたいな行動をとられるのが、やっぱり恐い。
でも、正直に言ってみようかな、と思った。
そう思ったのは、今日、心配を掛けてしまったという罪悪感からかもしれない。
あそこまで見られてしまったから隠せないという、焦燥からかもしれない。
でも、一番大きな理由は、一緒に過ごした帰り道が楽しかったという陶酔なのかもしれない。
私は、順番に話し始めた。
目が少し普通と違っていること。
そのせいで強い光を見ることができないこと。
だから、夏は日が暮れるまで生物室にいること。
目のせいで中学生の頃にナナ達からいやがらせを受けていたこと。
さっきは、ナナに鏡に反射した太陽を見せられたこと。
それらは、とてもじゃないけど“いい話”だとは言えなかった。
それでも、柴本くんは頷きながら、静かに聞いてくれていた。