ファンタスティック·レボルバー

私は、自分の目のことをあまり人に話さない。


ないだろうとは思っていても、さっきのナナみたいな行動をとられるのが、やっぱり恐い。



でも、正直に言ってみようかな、と思った。



そう思ったのは、今日、心配を掛けてしまったという罪悪感からかもしれない。


あそこまで見られてしまったから隠せないという、焦燥からかもしれない。



でも、一番大きな理由は、一緒に過ごした帰り道が楽しかったという陶酔なのかもしれない。



私は、順番に話し始めた。



目が少し普通と違っていること。


そのせいで強い光を見ることができないこと。


だから、夏は日が暮れるまで生物室にいること。


目のせいで中学生の頃にナナ達からいやがらせを受けていたこと。


さっきは、ナナに鏡に反射した太陽を見せられたこと。



それらは、とてもじゃないけど“いい話”だとは言えなかった。



それでも、柴本くんは頷きながら、静かに聞いてくれていた。
< 17 / 29 >

この作品をシェア

pagetop