ファンタスティック·レボルバー
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7時まであと10分になった頃。
私は、野球部の練習が終わって静かになったグラウンドを見ていた。
さっきまではあんなに楽しかったはずなのに、何故か今は、何か物足りないような、不思議な気分だ。
ふと、手元の顕微鏡に触ってみる。
ステージの辺りから弧を描くようにのびたアームが、ひんやりとしていて気持ちがいい。
顕微鏡を初めて触ったのは、小学生の頃だった。
でも、その細かい部分の名前を知ったのは中学生の頃のこと。
しかも、学校ではなくて塾で教えられた記憶がある。
その時に何故か惹かれたのが、レボルバー。
理由なんてない。
何故か、その響きが好き。
それだけだった。
私は、静かにレボルバーを回した。
レボルバーを回す感覚も、レンズがはまった時のちょっとした振動も、カチッと鳴る音も、全てが心地良い。
でも、何故だろうか。
心から、何かがすこんと抜けたような、淋しいような感覚が消えない。
もやもやした気持ちを振り払うかのように、私は家へ帰るために立ち上がった。
「大丈夫か!? 二条っ!!!」
私は、野球部の練習が終わって静かになったグラウンドを見ていた。
さっきまではあんなに楽しかったはずなのに、何故か今は、何か物足りないような、不思議な気分だ。
ふと、手元の顕微鏡に触ってみる。
ステージの辺りから弧を描くようにのびたアームが、ひんやりとしていて気持ちがいい。
顕微鏡を初めて触ったのは、小学生の頃だった。
でも、その細かい部分の名前を知ったのは中学生の頃のこと。
しかも、学校ではなくて塾で教えられた記憶がある。
その時に何故か惹かれたのが、レボルバー。
理由なんてない。
何故か、その響きが好き。
それだけだった。
私は、静かにレボルバーを回した。
レボルバーを回す感覚も、レンズがはまった時のちょっとした振動も、カチッと鳴る音も、全てが心地良い。
でも、何故だろうか。
心から、何かがすこんと抜けたような、淋しいような感覚が消えない。
もやもやした気持ちを振り払うかのように、私は家へ帰るために立ち上がった。
「大丈夫か!? 二条っ!!!」