ファンタスティック·レボルバー

「それってさ、『早智かー、7時に行くから待ってろよ。来なかったら?……襲う?』の聞き間違いじゃないかな?」



私は、恐る恐る聞いてみた。



「え?」



わけがわからないという表情で柴本くんがこっちを見てくる。



「あのね、倉持先生の彼女って、保健医の秋野先生なの。秋野早智先生」


「えぇっ!?」



案の定、ありえないくらいに驚いている柴本くんを見て、少し笑ってしまった。



「告白されたからって、少し前から付き合ってるよ。
でも、秋野先生ってすごく甘えてくる性格らしくて、倉持先生が困ってたんだよ。仕事中でも電話とかかけてこられて困るって」



私が話を聞いて、息を整えた柴本くんには少し、怒りの表情が見えた。



「電話の後に、僕に向かって意味深に笑いかけてきたからてっきり……」


「え、何?」


「あっ、な、何でもない!」



焦って苦笑いをしている柴本くんが可愛く見えて、私はまた笑ってしまった。



そういえば、いつの間にか不思議な淋しさもなくなっている。
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