ファンタスティック·レボルバー
とりあえず、状況を整理しよう。
今、私は保健室にいる。
現在の時刻は午後6時10分。
隣にいるのは柴本幸哉。
そして、今気付いた。
枕元には保健医の秋野[あきの]先生からだと思われるメモがある。
『先に帰るので、鍵を掛けて、職員室に鍵を返してから帰ってね♪ 秋野』
いつものいい加減さは健在みたいだ。
そもそも、どうして私は保健室で寝なければならない状態に陥ったのだろうか。
柴本幸哉がいるということは、彼が関係するのだろうか。
それならば、とりあえず、柴本幸哉を起こしてみるべきだろうか。
そういえば、彼は部活に行かなくても良かったのだろうか。
私は、次々に沸き上がってくる疑問でパンクしそうな頭を左右に振った。
まずは、柴本幸哉を起こすことから始めよう。
あの時一緒にグラウンドにいた、同じクラスの彼ならば、事の全てを知っているはず。
私は、意を決して彼の肩を叩いた。