ファンタスティック·レボルバー
「え? 何で……?」



単純に、驚いた。



「いや、噂でそうやって聞いてさ。二条が毎日生物室に行ってて、2人で仲良さげに話してる……って」



確かに、私は毎日生物室へ行っている。


それに、からかってくる倉持先生ともよく話す。


実際のところ、それなりに仲はいいと思う。



だからと言って、それが付き合ってるということになるなんて……。


噂ってすごいな。



「あの、黙ってるってことは……肯定?」



気まずそうに首をこちらへ向けた柴本くんのしぐさで、ふと我に返った。



「ち、違うよ!倉持先生、ちゃんと彼女いるし!」



私は、これでもかというくらいに首を左右に振って否定した。


すると、柴本くんは安心したように、面白がっているように笑った。



この笑顔が、好き。

そう思った。



「あっ、じゃあさ、何で毎日生物室に行ってるの?」



ぱっと思い出したように、不思議そうな顔で彼は言った。
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