初恋ストロベリー
「おい、やっぱお前ら似合ってんじゃん!」

「は?やめろって、康揮まで変な事言いやがって さっさと彼女作れよ」

俺たちが、叩きあっているとチャイムが鳴った。

一番後ろの窓際の席から見える、まりやの髪。

少し茶色がかってて、ふんわりとウェーブして綺麗な髪だ。あいつに
そっくり・・・。いや、よせ。

こんなこと考えたって、前には進めねぇんだから。

あいつと、まりやは違うんだ。もうこんな事、考えんなよ・・・。俺!】


はぁー。雨とかだるいなぁ。

2時間目の休み時間に、後ろの席の高橋綾南と話していた。

「あたしさーもう高1じゃん?そろそろ、シングル様を抜け出したいわけよっ」

シングルっていうのは、彼氏が居ないこと。

夫に疲れた主婦の様に綾南は喋った。

「綾南、シングル様どのくらいなの?」

「えっ!?聞くなぁ まっ、ざっと1年弱っすかね」

残念そうに、髪の毛をかいた。

「へぇー」

「ちっと、お姉さん あたしの辛い過去だけ聞いてお宅黙って逃亡でも
考えてるんじゃないでしょーね」

後ろを向こうとしたあたしの腕を、綾南が引っ張った。

「ち、違うよ あたしはね、恋とかしたことないから」

「はぁ?あり得ない!こんな可愛い子が?いやいやいや」

ホントだよ。そう思いながら無言で私は、前を向いた。

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