初恋ストロベリー
自殺行為をしたことは、誰も知らない。

今じゃ、明るい性格いを保とうと頑張ってるし

昔も暗くはなかった。

やめて。やめて。

ブーン、ブーン。

携帯のマナーモードの音に、ビクッと震えて

液晶画面を見たあたしは、携帯を折り曲げたいと思った。

「着信:高見芹 不在着信:永田敦也」

いまさら、なんの用なの。

思い出したくないの。セーラー服も燃やしたい思い

しかないのに、クローゼットの黒い袋に入ってる。

「もしもし?」

えっ。なんで、通話ボタン押してるの!?

いい加減にしてよ。あたし!!!!!

「居るの?真衣」

声が出ないし、脳が働かなくてしゃべる言葉も

思いつかない。

「・・・・・・・せ、り?」

やっと出た変な言葉。

「俺、矢部澤に進学した」

時期はずれの、進学通知。

「そう」

まともな言葉がやっと出た。

「真衣に報告がある」

私は聞きたい思いと、聞きたくない思いの

中間にいた。

「敦也と暎が死んだかもしれない」
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