初恋ストロベリー
そして、一番楽しみかつ
嫌だったお化け屋敷に入る時が来た。
定番って言われるかもしれないけど
16年間恋したことがない女の子に
とっては、はじめての経験だし
彼との距離を縮める大チャンスなんです!
「どーせ、手とか握ってキャーキャーだろ?」
苦笑いをしながらも、淳平は手を握ってくれて
お化け屋敷の道も一番前を進んでくれた。
ってか・・・。怖くないの!?
あたしはさっき、霊安室の扉が勝手に
開くだけで泣きそうになったんだけど。
(廃墟の病院をモデルにしたお化け屋敷だから)
「じ、淳平?怖くないの!?」
何にもない道が、妙に怖く感じて
声が震える。
「こえーし」
苦笑いで、答えた。
「キャー!!」
長い廊下の真ん中あたりで、幽霊が前後から
追いかけてきた。
てか、どこに逃げればいいのお!?
周りに病室あるけど、入りたくない~。
泣きそうになって、淳平の手を強く握った。
「あっち、入ろう」