クロス†ハーツ
小夜が真顔で聞いてくるから、少し驚いてしまった。
だって今日は文化祭一週間前。
午後は全クラスの授業がなく、みんなで文化祭の準備。
出られる出られないの問題じゃないと思う。
「なんで、そんなこと聞くの?」
「私、文化祭クラス代表でしょ?帆香ちゃんは生徒会の方があるから出れないって言ってたから。凛も風紀委員で何かあるかと思って…」
「あー…」
そういうことか。
でも、水瀬は何も言ってなかったし。
「大丈夫。だって、水瀬とか何も言ってなかったもん」
「ホント?良かったー!」
まさかこの選択が、きっかけになるとも知らず。
小夜が満面の笑みで笑うから、私もつられて微笑んでいた。