クロス†ハーツ
「だからってこんな、なんかさ…」
次の言葉は言いたいけど言いにくくて、私は語尾を濁した。
「あー、エロいかもね」
「な…!そう思うんだったら、こんなの着させないでよ!」
小夜が普通に言うから、私の顔の温度が一気に熱くなる。
絶対今、私の顔赤い。
「良いじゃない。凛、人気あるし知名度高いし、それ狙いで来る人もいるかも」
「あ、有り得ない…!絶対、有り得ない!」
「ははっ。ま、着てみなよ。サイズとか気になるし、ね?」
「だから着ないってば!」
猫セットの入った袋を小夜に笑顔で押し付けられる。
私は後退りしながら、断固拒否していた。
「凛ちゃーん。お客さーん!」
そんな時、教室の廊下側の方から、私の名前を呼ぶ声がした。