クロス†ハーツ
03.キモチの変化
不機嫌なやつら
文化祭当日。
恐ろしいことが、私の身にふりかかろうとしていた。
「…え!?だって私、嫌だって言ったじゃん!」
「しょうがないでしょ?クラスみんなやってるんだから」
私は、お化け屋敷の装飾がなされた教室で、猫セットを着るか否かを小夜と言い合いをしていた。
「でも、もっと他のだって――」
「凛は猫娘に決まったの。準備の時、あんたが風紀の委員長と消えた後に、クラスでそう決まったの!」
「そんなの知らないんだってば!」
私が必死にそう叫ぶと、小夜は腕を組んでため息をつく。
……アレ?
これは、もしや――
しかし、小夜は私の期待を裏切る言葉を放った。
「恨むんなら、あのタイミングであんたを連れ出した委員長を恨むんだね」
「え、」
「さ、早く着替えておいで」
「……もう、嫌だ…」
私の悲しい呟きは、誰にも聞かれることなく小さく響いた。