クロス†ハーツ
イベント騒動
2日目。
今日はクラスの仕事はなくて、1日中風紀委員のお仕事。
朝に葵と話したかったけど、私の集合時間早すぎてすれ違いになってしまった。
「うぅ…、眠い…」
早朝の学校は、生徒会や風紀委員、実行委員の生徒しかいないため、周りに人は誰もいなかった。
だから、視聴覚室に向かうまでの廊下で独り言を呟いたその時。
「確かに、この時間は眠いねー」
「っえ…!?」
いきなり背後から声がして、私は肩がびくっと揺らすと同時に振り向いた。
「おはよー凛ちゃん」
「おはよ。風紀も早いんだね」
そこには、先ほどの声の主である生徒会長様と、帆香ちゃんがいた。
帆香ちゃんはまあ良いとして、私は会長を睨みつける。
「会長!いきなりすぐ後ろでなんか言われたらびっくりするでしょ!?」
「えー、でも凛ちゃんだって『眠い』とか言ってたじゃーん」
「アレは独り言!」
「僕のも独り言だよ?」
「う…」
やっぱり頭の良い人は口喧嘩も強いのか、私はあっという間に反論する言葉をなくしてしまった。
会長の隣でこっそりため息をついている帆香ちゃんを見て、私の気分はさらに落ちていった。