女王様のため息
②
その後ようやく席についてラーメンにありついた。
普段から司と二人で食事をする機会は多いけれど、こうして不機嫌丸出しの司と向かい合うことには慣れてない。
無言でラーメンを食べている私たちの周囲の気温は低いに違いない。
「たまご、あげよっか?それかコーン?何でもあげるよ」
ちらりと司の目を見ながら明るく言っても、一瞬視線を私に向けただけで相変わらず黙ったままの男前。
何をしていても、黙っていても、顔がいいって得だな。
ラーメンを食べていてもちっとも安っぽく見えない。
「えっと、ビールは、運転するからだめだね。じゃ、何か一品頼もうか?」
「……いいよ、別に。それより、海ってお前の事を……。
いや、いい。さっきの写真のデータを消してくれたらそれでいいから、さっさとスマホ、貸せ」
何かを言いかけて、思い直したように口調を変えた司。
私を睨むような視線の理由がもうひとつわからない。
けれど、低く唸るような声からは、何か悩んでいるような気がする。
箸を動かす手はそのままだけど、時折私に視線を向けて……というか睨んではため息をついたり。
ここまで機嫌が悪い司を見るのは初めてで、いっそスマホを手渡そうかとも思ったけれど。
「切り札なんだからだめ」
私も負けずに言い返した。
普段から司と二人で食事をする機会は多いけれど、こうして不機嫌丸出しの司と向かい合うことには慣れてない。
無言でラーメンを食べている私たちの周囲の気温は低いに違いない。
「たまご、あげよっか?それかコーン?何でもあげるよ」
ちらりと司の目を見ながら明るく言っても、一瞬視線を私に向けただけで相変わらず黙ったままの男前。
何をしていても、黙っていても、顔がいいって得だな。
ラーメンを食べていてもちっとも安っぽく見えない。
「えっと、ビールは、運転するからだめだね。じゃ、何か一品頼もうか?」
「……いいよ、別に。それより、海ってお前の事を……。
いや、いい。さっきの写真のデータを消してくれたらそれでいいから、さっさとスマホ、貸せ」
何かを言いかけて、思い直したように口調を変えた司。
私を睨むような視線の理由がもうひとつわからない。
けれど、低く唸るような声からは、何か悩んでいるような気がする。
箸を動かす手はそのままだけど、時折私に視線を向けて……というか睨んではため息をついたり。
ここまで機嫌が悪い司を見るのは初めてで、いっそスマホを手渡そうかとも思ったけれど。
「切り札なんだからだめ」
私も負けずに言い返した。