女王様のため息
「入籍?え?結婚するってこと?」
思わず叫んだ私に、途端不機嫌な司。
「結婚以外にどんな意味があるっていうんだ?」
「……だね、でも……そんな急に」
「急でもいいだろ?いい大人の俺らの気持ちがようやくつながったのに、結婚しない理由なんてない」
不機嫌上等。
というような、押しの強さと頑固な瞳を私に向けて『問答無用』とはこういうことだと教えるみたいな司の低い声。
「もう、限界だって、何度も言っただろ。このまま俺の両親に会いに行くか?」
「は、はあっ?」
おしゃれなカフェの一角で、その場にそぐわない声をあげてる私なんてお構いなしに、
「とりあえず、電話するか」
スマホを操作する司。
きっと、私の事をご両親に話そうとしているんだろうとわかる。
そんなの早い、まだまだ司と私と二人でつめたい話だってあるのに、この男、私が自分の事を好きだと知った瞬間から強引過ぎる気がするんだけど。