女王様のため息


バカヤローと心で唱えながらも、私の動きはまさに司の思うがままで。

実家にかけた電話は、すぐに母と繋がっていた。

「あ、真珠だけど。これから行ってもいいかな……」

向かいの席で満足げに微笑む司を睨みながら、けれど、私もどこか嬉しくて。

司との展開を簡単に話すと。

予想通り

『結婚?じゃ、早く連れてきなさい。晩御飯はお寿司でもとるから』

気付けば、今日の晩御飯は実家で食べる事になった。

そして、結婚のお許しをいただきに、司と二人戦々恐々とした気持ちを隠さないまま私の両親が待つ実家へと向かった。

今朝私の部屋を出た時に、この展開を、誰が想像しただろう。

多分、さっき別れたばかりの春岡さんと美香さんでさえ、想像もできないに違いない。

まさか自分たちよりも私と司の方が早く結婚するなんて。

緊張を隠せない顔で車を運転している司を横目で見ながら、最近の私の人生の変化に息切れしそうだと感じていた。

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