女王様のため息
あ、そう言えば今日はコンパだったな。

どうにか気持ちを浮上させ、無造作に置かれていたスマホを取った。

「はーい。女王様は今日もご機嫌悪し。ご用件は手短に」

スマホの向こうから聞こえるくすくすとした笑い声は、予想通り海の声。

今日予定しているコンパをまとめてくれている親戚の男の子だ。

「女王様の希望通り、男前3人調達してますので、時間通りにお越し下さい」

「ん。ありがと。じゃ、3人の美人さんを現地に送り込みますのでよろしく。以上」

「は?送り込むって、真珠は?真珠は来ないのかよ」

「これから女王様は、仕事に追われる予定でございます。私よりも数倍綺麗な女の子達がそちらに伺います。ご安心を。では失礼」

「ちょ、おい、真珠っ」

海君の声が聞こえるのも構わず、心でごめんねと呟いて通話を切った。

ごめんね、海君。

いつ終わるのかわからない仕事の段取りを考えながら、また一つため息をついた。

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