女王様のため息
ぼんやりしている暇もなく、頭の中は今日片付けなくてはならない仕事が次々と顔を出す。
コンパを海君に押し付けてしまったのは申し訳ないけれど、言葉通り、社内でも評判の美女を送り込む事になっているから許してくれるだろう。
金曜日の夜を仕事漬けで過ごす私の姿を見れば、彼もきっと文句は言うまい。
まあ、違う会社に勤務する彼が、そんな私の姿を見る事はないけれど。
私が所属するのは総務部。
ありとあらゆる業務を押し付けられている……いや、処理する部署だ。
事務用品の手配や会議室の予約に始まって、株主総会を取り仕切ったりと多種多様、大小取り混ぜた部署。
入社5年目の私は、部署内の女性社員の中でははっきり言って中堅社員で、上にいる先輩女性社員と、下に控えている、ほぼ新人女性社員の中で右往左往している。
下に行くのは無理なので、早く年をとって上の先輩社員達と並んでも平気なポジションに行きたいと、切に思っている。
そう。今の私は本当に大変だ。
毎日仕事に追われては、ぼやく暇もなく淡々と仕事を進めるしかない。
幹事なのに、セッティングだけしてコンパに行けないくらい、大変だ。