女王様のため息
続いて総務部。

落ち着きもない、聞く気もない人間にどうやって、何を話せというのか。

壇上に私が立っても、若造たちには『聴く』という基本的な事すらできないようで。

一番前に座っていた男子なんぞは遠慮もなしに欠伸までしている始末で。

マイクを握りしめた途端の怒声となった。

そして、その時の私の怒りの激しさは、一年経った今でも社内の伝説の一つとなっている。

平社員である私が、絶対に関わる事なんてないような役員様と偶然社内ですれ違う時にも

「次の新人研修も、任せたよ」

冗談か本気か。

まるで私は新人研修の鬼の女王とでもいうように語られるようになった。

本当、面倒くさい。
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