女王様のため息
「コンパには受付の美人さん二人と設計部のアイドルを送り込んだから大丈夫。今頃盛り上がってるんじゃない?」
「そっか。……だな。うちの会社で最強の3人とコンパなんて、俺でも行きたいよ。で、お前はセッティングだけして、また残業か?」
「そ。いつものように、セッティングの女王は健在です」
肩をすくめると、司は苦笑した。
「わが社で評判の女王様へのご褒美だ。晩飯おごってやるから着替えて来いよ。下で待ってる」
「え、いいの?やったー。すぐに着替えるから待ってて」
「お前には遠慮するって言葉はないのか?」
「女王様に遠慮は不要だもん」
「くくっ強気。ま、それがお前のいいところだな。じゃ、駐車場で待ってるから」
「了解」
背を向けた司を見送って、パソコンの電源が落ちた事を確認して。
警備室に施錠をお願いする電話をかけて。
女王様は、いそいそと帰るのだ。