三題噺

あの日、あたしは家出をした。

まだ何も知らずに、ただ家を出たい一心で。

気がつくと、知らない場所で、一人で星を見ていた少年に出会った。

少しも動かないから、しばらく見つめているとふいに声をかけられた。

「どうしたの?」

突然だったから驚いて、

「家出っ」

と答えて逃げてしまった。

しばらくして親に見つかり家に帰ったが、その後もあの少年のことが気になっていた。

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