4年、待ってた。
大学一年生、19歳の秋。
私には竹居芳(たけい·よし)という彼氏ができた。
それまで片思いの恋はたくさんしてきたけど、まともに誰かと付き合うのは初めてだった。
そのせいか、緊張しながらも、芳との付き合いにものすごく浮かれている自分がいた。
私はたいして美人でもなく、性格が良いわけでもない。
大学に入ってからも、幼稚園の頃から一緒の幼なじみ·磯山真央実(いそやま·まおみ)と行動していたのもあって、私には恋愛するチャンスなんてないと思っていた。
真央実は悔しいくらい可愛いしスタイルも良い。
高校の時も他校生に声をかけられたり、年上の大学生に手紙をもらったりしていた。
そんな風だから、私より真央実の方が、男の知り合いを作る機会に恵まれていた。
そんな真央実は私の自慢である一方で、劣等感の原因にもなっていた。