俺が初恋??それってどうなの??
「惨めだよね・・・・・自分で好きになったくせに・・・・・奥さんがいるって分かってても心のどこかで期待してたんだ。彼は奥さんを愛していないって・・・・・でも違ってた。どうしようもないくらい惨めで惨めで落ち込んでたの・・・・・あの雨の日・・・・・」



鏡子の流す涙を見て思う。



あふれ出す涙はきっと・・・・・



鏡子が彼を愛しているからか・・・・・?



涙と同じように、



あふれるほどに彼への想いがある証拠なのか・・・・・?



「でもね、あの時、店長さんを見かけた時・・・・・私、一瞬その気持ちを忘れたの。大雨の中、走ってくる店長さんが・・・・・あまりにも綺麗で、男の人を綺麗だなんて思うの、初めてだった。それくらい雨の中出会ったあなたに私は見とれてた」



鏡子の口から出た意外な言葉に少し驚きながら、



俺はあの雨の日のことを思い出していた。



そう・・・・・あの雨の日のこと。


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