俺が初恋??それってどうなの??
あの時、走る俺を呼び止めた鏡子。



あの時、君は・・・・・



君の心はどんな色をしていたの?



ドンヨリした薄暗いあの日の空のようだったのか?



それとも君が差していた傘の水色のように冷めていたのか?



どんな想いで彼氏を想っていたの?



どんな想いで俺を見つけたの?



「雨の中のあなたを見つけて、気がついたら声をかけていたの。自分でもびっくりしたの。でもあなたは立ち止まってくれて、傘を受け取ってくれた。それだけでなんだか救われた気がした・・・・・店長さんに助けられたようなものよ、私」



鏡子は涙を拭きながら、



恥ずかしそうに俺を見た。



そんな目で俺を見ないでくれよ。



必死に冷静さを装う俺を見透かされそうだ。
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