俺が初恋??それってどうなの??
『♪♪♪~~♪♪♪~~♪♪♪』



鏡子は俺から唇を離した。



俺はまだこんなにキスの余韻が残っているのに・・・・・。



鏡子はカバンから携帯を取り出し、画面を見た。



鏡子の表情が一瞬曇る。



とっさに分かる・・・・・。



相手は『彼氏』だ。



鏡子はしばらく携帯の画面を見つめ、



俺に向かって微笑んだ。



「やっぱり戻って来れないって。奥さんがつわりがひどくて、そばにいてあげたいって・・・・・」



鏡子は大げさなくらい明るい声でそう言った。



声では笑っているようで、



心では決して笑ってなんかいなかった。



「送っていくよ」



俺は鏡子と店を出た。
< 65 / 94 >

この作品をシェア

pagetop