蜜柑の神様【企画】
「あ、やっぱ今更だけど逃げて」


浮かびながら器用に降ってくる蜜柑を避けるそいつは、ホンマ今更ながら注意しよった。


「今更過ぎるねん!!もう遅いわ!」


「いや、遅くないから逃げて。超逃げて」


言い返そうとした時、頭に又もきょーれつな衝撃。


ほんで又も上を見上げると、天井が見えへん程の蜜柑の団体が降ってきたねん。


「え、ちょ、待てや!!ストップや!タンマや!止まれやぁ!」


念力パワーや、止まれ!!と手でガードしたんやけど、意味なかったわ。


ドサドサと蜜柑が降り積もって、俺は埋れてもうた。


く、苦しい!窒息寸前やわ!!


なんとか、手で頭上の蜜柑を掻きどけて顔を出した。


「っはぁ、死ぬか思ーたわ。……ってどないしてくれるん!?」


部屋中蜜柑で埋まってもうたわ!!


「だから逃げてって言ったじゃん。俺様の言う事を聞かなかったチミが悪いんだぞ」


未だ浮いてるあいつは、クククと笑ながらめちゃムカつく顔で見下ろしてきた


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