女王子と男姫!?
【乃愛side】
昔から反射神経が無駄に良い私はスッと華麗に交わすと、見事に麟太郎の顔面にヒットした。
「痛っ!何これ!?日誌!?」
鼻を擦りながら日誌を手にした麟太郎は驚きを隠せない様子。
私の写真じゃなくて、お前の顔を校内新聞に掲載したいわ。
「高峰、坂下。ちゃんと先生の話を聞け。次は黒板消し飛ばすからなー。」
「先生、皆の王子を傷付けるのは止めてくださーい。」
同じクラスの女の子たちが庇ってくれた。
我ながら良い子たちだ。
「高峰…。お前が入学してからこの学校の活気が溢れてきた。…違う意味でな。」
「そうなんですか、ありがとうございます。」
「しかし!何故女子のお前が王子って言われる!先生は悲しいぞ!?」
先生が教卓の前で泣き真似をしていると、女の子たちが「かっこいいからー。」と一斉に言ってくれた。
先生が可哀想に思えてきた。
「あーぁ、王子が先生泣かせたー。」
ニヤニヤしながら麟太郎が先生を指さした。
今知った事ではないが、嫌な奴だ。
そういう茶番を繰り返している間にHR終了のチャイムが鳴り、先生の話も終わった。