女王子と男姫!?
【乃愛side】
「そういえば、乃愛が助けた子って1年だったの?」
知夏に叩かれた背中を擦りながら今朝の事を思い出す。
「うん、桃色のリボン付けてたよ。顔も見た事ない子だったし。」
「アンタさぁ、よく知らない子助けれるよね。尊敬しますよー。」
知夏は先程叩いた私の背中を擦りながら「ごめんね?」と謝った。
「放っておけないじゃん?」
「それはそうだけど、女が女を姫抱きして登校する学校ってここぐらいだからね!?」
知夏は廊下の床をダンッと踏み鳴らしながら言った。
確かに、朝っぱらからそんな甘々な光景が見れるのはここだけかもしれない。
「乃愛が男だったら、あたし絶対惚れてるよー。」
「ハハッ、それはどうも。」
知夏があまりにも嬉しい事を言ってくれたので髪をクシャクシャと撫でながら礼を言った。
キーンコーンカーンコーン
「あっ!HR始まる!ばいばいっ!」
「ん、またね。」
予鈴が鳴ると同時に知夏は疾風の如く自分の教室に戻って行った。
知夏を温かい眼差しで見届けた後、私も自分の教室に戻って行った。