小さな宝物
『はい!』


えっ!?


返事をしてステージに上がったのは、間違なくなくさっきまで一緒にいたちづるだ。


ちづるって新入生代表だったわけ!?


どんだけ賢いのよ!


ちづるは緊張した様子もなくスラスラと挨拶をしている。


あんた…やっぱ凄いよ!


その度胸と文才にはいつもながら感心する。


あいうえお順に整列しててちづるがいないのに気付かなかった。


ちづるは挨拶を終えあたし達のクラスの列に戻る。


『続いて生徒会長挨拶!』


ちづるが列に並ぶと同時に教頭先生は言う。


生徒会長か~やっぱ学校仕切るだけあって賢いんだろぉなぁ。


あたしはステージに上がる会長を見る。


おぉ~!なかなかイケメン!高校生の男の子ってやっぱカッコいい!中学の同級生とは別の生き物だ。


あたしは会長の顔にしばらく見入っていた。


あっ!いけないいけない。最後くらいちゃんと聞いとかないとバチあたっちゃう。


我にかえり耳をすますと…自分の耳を疑った。


だって…


だってね!


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