小さな宝物

『あのな~塩谷…先生って呼べよなぁ』


そぉ言うと弘君は日誌をあたしの頭にコツンと乗せた。


しまった…ちづるに釣られて弘君て呼んぢゃった!


弘君は特に気にした様子もなく、教室を出ようとする。


『ちょっと!弘君話はぁ~?』


ちづるが呼び止めると弘君は何も言わず、ただニコニコしながらあたし達に手招きをした。


『なんだろ…?』


あたし達は同時に発言し、首をかしげながら弘君の後を着いてった。


随分歩いた。


校舎でいうとあたし達の教室からは全く正反対の、まだ行った事のない方向に先生は歩いて行く。


『なんか楽しいね♪』


ちづるは嬉しそぉに言った。


それにしても…


教室からは離れた校舎の片隅に一体なにがあるの?


弘君はあたし達に何の話があるの?


全っ然、弘君が読めません。


『弘君!歩くの速い…』


実はあたし、あんまり歩くの速くないんだ。


もぉ疲れたあたしは立ち止まって言う。


『悪い悪い。もぉ着いたからさ!入れよ』


ごめんねってウインクしながら弘君は電気の着いた部屋に入って行く。


『あおい大丈夫?もぉ…弘君って女の子と歩いた事ないんぢゃない!?』


ちづるはあたしを気遣って歩くペースを合わせてくれた。


『ありがとぉ…えっ!!』


ちづるを見上げながら、あたしは弘君が入った部屋のドアに書かれてある文字を見て足が止まる…


だって…


だってね!


そこには予想してなかった文字が書いてあったの!


『生徒会…室…?』


ちづるはあたしの目線を追って、ドアに書かれてある文字を読む。


そぉ!


生徒会室!


何で!?


『お~い!早く入れよ』


部屋の中から弘君の声がする。


あたし…


足が動かない…


もしかして…


もしかしてそこには会長も…?


緊張!?


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